渡し船 四

聞こえてますか?

昨日の続き…。

二時限目から合流した僕を

皆がクスクスと笑います。

無かった事にして

知らぬ顔を決め込んでも、

濡れた教科書とノートは 正直です。

給食前には

薄っすらと塩が噴き始め、

昼休みになれば学年問わず

「海に落ちた男」

を 見にやって来ます。

確かにあの時、僕の左足は

船の舳先を捉えた筈なのに

どうして…。

僕の社会と国語の教科書は、

その後一年間に渡り

カッピカピのカッパカパ。

二年生になる頃には、

海に落ちた事なんて

どうでも良くなっていました。

渡し船に感謝して

また、明日。

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