男女7人高円寺(全10ノ2話)

聞こえてますか?
昨日の続き…。
あれから二十数年。
帰郷した花の男は、
熊本の戸馳島でとても綺麗な
蘭の花を育てています。

その頃の僕は、作詞家であり
劇作家でもある方の門下生
付き人を生業とし
車の運転 鞄持ち 物書きの勉強を
して過ごしていました。
そんな僕の書く詞や物語を
男女7人の中で熱心に
読んでくれる女性がいました。
物腰はいつも柔らかく 控えめで
優しい声を持つ人でした。
それでいて、読み終えたあとの
彼女の助言は辛辣で容赦無い
批評が展開されます。
僕はこうべを垂れて
よく書き直しをしたものです。
その優しい声に秘めた強い意思
みたいなものを感じていました。

徹夜の時も付き合い
ワープロで文字を起こし
てもくれました。
鉛筆からインクへと様変わりする
整頓された文字の色とカタチ。
拙い僕の文章が
綺麗に化粧されていくようで
とても嬉しかったのを
覚えています。手伝ってくれた
彼女の貴重な時間を
僕は忘れません…。

優しい声に感謝して
また、明日。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です