畦道とハイヒール 「変わった子ども」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
1975年の春は、
僕の嘘から
はじまるのでした。

あなたは、僕のことを
「変わった子だね」と
よく言っていました。
僕にしたら
どっちが!です。

母親に甘えることが、
当たり前とされた
子ども達の理りの中で
確かに言われてみれば
僕の方も少し
違っているようでした。
ひらひらの服を着て
手を繋ぐことや
買い物に
付き合わされることも
とても
窮屈で苦手でした。
なんでそうなって
しまったのか…。
それは、
園に上がる前の環境に
原因があるのかも
知れません。

共働きの両親のもと
一日の殆どを僕は、
ひとりで
過ごしていました。
考えたあなたは、
僕に犬を宛てがいました。
番犬の意味合いも
あったのでしょう。
ひとりでいる事に慣れ
何よりそれが当たり前に
なっていく僕を
心配しての事だったと
今では思えます。
でもあの時の僕には
あなたの想いに
応えるすべを
持ち合わせては
いませんでした。

そんな生活の中で
唯一心を許したのは、
その共に育った
シェパード犬の
大五郎でした。
彼だけが救いでした。
異なる動物同士とはいえ
垣根をこえた関係に
言葉はいりません。
同時に強い安心感を
彼に見出してもいました。

そして僕は、
あなたに対し
子どもの特権を放棄し
代わりに無言と云う
武器を手に入れました。
「五歳のあんたが」と
思うでしょうね。
だけれど、小さくても
そんな感情が
芽生えたのは、確かに
あの頃でした…続く。

あなたの想いに感謝して
また、明日。

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