畦道とハイヒール 「駆け落ち」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
確かにあなたは、
こうと決めると
梃子でも動かない
節があり、怒ると
手が付けられない
雷のような人でも
ありました。

中学三年生のあなた。
何を間違えたか
堅気とは縁遠い男と
恋に落ち
親の猛反対の中
卒業を待たずして
駆け落ちを断行
全国を渡り歩く…
などと、冗談まじりに
あなたは、
話していましたね。

80年代にお茶の間を
席巻した大映ドラマ
赤いシリーズでも
扱わないコッテコテの
その逸話も満更
嘘ではないようです。
あなたのお母さんが、
その時のことを
話してくれました。

当時不良だった父を
良く思って
いなかったこと。
決死の想いであなたが、
プロポーズされたこと。
それでも、
追われるような形で
熊本の地を離れ
知人の伝手を頼り
神奈川県に一時期
身を寄せていたこと。
そんな逃避行のさなか
僕が生まれたことも…。

言われてみれば、
東京の地下鉄を
何故か懐かしく
思う時がありました。
トンネルの
明かりとりに
設けられた蛍光灯。
車両の一番前で
見ていた
疾走する白い光。
おぼろげな遠い記憶。

若くして身ごもった
あなたは、どんな想い
だったのだろう。
夢みたいなものも
あっただろうに…。
ちゃんと向き合って
話してこなかった。
会えるうちに
会ってさえすれば…。

去来する
堂々巡りの感情は、
後悔という
大きな波となって
押し寄せて来ます。
それでも僕は、
抗い 溺れながらも
却ってくる筈もない
答えみたいなものを
探しています…続く。

あなたの想いに感謝して
また、明日。

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