汚れなき愛を信じて 1話 「百草高台」

聞こえてますか?
京王 聖蹟桜ヶ丘。
ジブリ作品
「耳をすませば」の
舞台にもなったその百草高台。
美しい曲線が伸びた
丘の上までの坂道は、
道幅も広く整備されていました。
だけれど、
傾斜の強い登り坂だけに
走行距離10万キロを
こえる中古車には、
決して優しいものでは
ありませんでした。
だから、
大きくのノ字を描くような
その道をたどるのに
僕はハンドルを右に左にと
忙しく廻さなくてはなりません。

助手席に座る彼女は、
壊れた空調設備の代わりに
手回しで車の窓を開けました。
夏の香りを招き入れるように
彼女の長い黒髪は、
その風に吹かれていました。

微かに捉えることの出来る
遠くの新宿高層ビル群。
聖蹟桜ヶ丘の街並みが
一望出来る場所。
厚木 愛川の街から
そこへ移って来たのは、
1992年の
初夏のことでした…続く。

この街に感謝して
また、明日。

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