汚れなき愛を信じて 29話 「彼女の嫌いなところ」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
僕は諦めにも似た気持ちで
その入り口の鍵を手にしました。
そして、嘲笑うかのように
差し出された台帳に
執着という烙印を押すのでした。

嵌められた足枷は、
僕の「自由」を奪いました。
それと同時に「自分」をも
見失ってしまうのでした…。

彼女の嫌いなところなど
100個だってすぐに並べられます。
だけれど好きなところ一個に
その100は、負けてしまうのです。
こんな思いをするくらいなら
もう絶対
好きになったりはしないと
絞りだした頭の中だけの
シュミレーションは、
彼女の気まぐれな電話ひとつで
カタカタと音を立てて
崩れ去ってしまうのでした。

屋根裏部屋のある百草高台に
帰っていた僕は、
当時 固定式だった
留守番機能付き電話の
点滅する赤いランプを
暫く見つめているのでした…続く。

待っていたのもに感謝して
また、明日。

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