汚れなき愛を信じて 34話 「停止する心」

#144

汚れなき愛を信じて 34話
「停止する心」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
彼女の瞳は、僕の腕を縛り
彼女の声は、
僕に足枷を嵌めました。
そしてその足枷は、
僕の「自由」を奪いました。
それと同時に「自分」をも
見失ってしまうのでした。

もしかしたら
それも含めて自分なのかも
知れません。
だけど角度を変えてみると
その境遇に立たされなければ
そんな自分を発見せずに
済んだのかも知れないのです。

傷つけたくないのか…。
それとも
自分が傷つきたくないのか…。
だけれど、
相手に嫌な気持ちを
与えたくない。
それをするくらいなら
会わなければいい
そう思っていたのも確かでした。

いつからか僕は、
目を見て話すことが苦手になり
対面式での食事や会話が
とても窮屈で困難なものに
なってしまいました。
そんな僕は、自ら作り上げた
「殻」に閉篭ります。

遠い昔…。
小学四年生の僕は、
ソフトボールのある試合で
大抜擢されそうになりました。
監督が見ているのが分かります。
球技が好きで試合に出たくて
入った部活動の筈なのに…。
有ろう事か僕はその監督の目を
逸らし俯いてしまいました。
あの時の監督は、
体育座りをするその膝の間に
こうべを垂らした子供を
どんな思いで
見ていたのでしょう…。
逃げ出すと云う僕の一手は、
まるで暗示にかかったように
心を停止させるのでした……続く。

あの時の監督に感謝して
また、明日。

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