汚れなき愛を信じて 36話 「ホームパーティー」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
思い返してみれば、
あの日を境にして
二人のすれ違いを決定的なものに
したのかも知れません。
ホームパーティーは、
明日に迫っていました。

船堀でのホームパーティーは、
最初から不穏な空気を
漂わせていました。
僕らは、その準備(焼肉)に追われ
ちょっとした食い違いから
言い争いをしていた事にも
原因があるのかも知れません。

気心知れた同郷の三人娘。
もっと自然に
振る舞うことが出来る筈なのに
どうも上手くいきません。
三人娘と彼女との間を繋ごうと
必死であります。
だけれど、
今ひとつ嚙み合いません。

当時のことを思い返すたびに
思うのです。
嚙み合ってなかったのは、
むしろ僕の方で
何とかしようと必死になり
それがやがて思わぬ方向に陥り
蟻地獄のような砂の中に
自ら嵌ってゆく…。
自分で自分の首を締めていく…。
男女7人高円寺に登場する
空回りの男のようです。
ひとのことは言えません。
まさに僕は
それでありました。

そんなドツボに嵌っていく
僕にいち早く気付いたのは、
やはり優しい声のひとでした。
その場を盛り上げようと
合いの手を入れてくれます。
そんなことなど御構い無しと
ダメだしの女王 厄介な彼女が
僕をからかいます。
いつもなら間髪入れずに
言い返す言葉は、
この時ばかりは口から
ついて出てはくれません。
僕は、苦笑いをしながら
俯くほか術がなかったのでした。
何たる失態、何たる体たらく。
最悪です。
リィー子が言いました。
「今日は、元気のなかね〜」

元気がないのは、
今に始まったことでは
ありませんでした。
最近ずっと
会えば喧嘩になる僕らは、
互いに疲れていました。
このパーティーも
そんな喧嘩続きの二人には
いい機会だと思っての
ことでもありました。
それがこのありさまです。

カリッと心の音がします…。
勝手に作りあげた
「殻」がその入り口を
開けました…続く。

今があることに感謝して
また、明日。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です