汚れなき愛を信じて 44話 「恋人たちの事情」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
だけれど僕らは、
そんな時に限って
喧嘩をしてしまうようです。
大事なイベントを明日に控えた
夜のことでした。

出会った頃の喧嘩と
三年目を迎える男と女たちの
言い争いは、その内容の種類にも
違いがあるようです。
一対一の立会い…即ち
甘酸っぱいものなど
入り込む余地のない
真剣での斬り合いの体を
擁したものでした。
「間合い」を間違えれば、
その関係は一瞬で
終わってしまいます。
二人に限っていえば、
恋愛の死を意味しています。

誰もが経験するであろう
恋人たちの事情…。
一年目のそれと三年目のそれ。
その先にあるものは
七年目のそれ。そして…。
樹木の年輪を重ねるように
男と女の関係も
歴史を刻むのかも知れません。

前夜からの二人の喧嘩は、
明け方まで続きます。
それでもおさまりの
付く気配がありません。
楽屋入りの時間が
近づいた僕は、
後ろ髪を引かれる思いで
彼女を後にするのです。
大事の前の小事。
その目に
泣き腫らした痕を残す女と、
生業とするその声を
枯らした男は、
どちらも愚かでした…続く。

ひとに感謝して
また、明日。

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