聞こえてますか?アーカイブ 「大五郎」総集編 下巻

聞こえてますか?
昨日の続き…。
そんなある日のこと。
寝耳に水な事件が
僕と大五郎の身に
降りかかるのでした…続く。

それは、
自然に起こった物事ではなく
明らかに人工的且つ犯罪と
呼ぶべきものでありました。
いつものように
彼と海遊びをしていると
仕事を終えたあの男が
近づいて来ます。
僕らの親父でした…。

何を血迷ったのか!
突然、親父が彼を抱えるのです。
この男にかかれば、
警察犬としても名を馳せる
シェパードとはいえ形無し。
なす術もなく岸壁から
満ち潮の海へと放り込まれます。
キョトンとする僕を
親父が見ています…。
蛇に睨まれた蛙とは、
よく言ったものであります。
身の危険を肌で感じるものの
動けません。案の定、
僕も大五郎の後を追うように
海へと投げられるのでした。

岸壁の上からあの男が叫びます。
「大五郎ば見ろ!」
「泳ぎば教われ!」
…………えぇ~。
海底に足の着かない
スイミングは、
はじめての事でした。
無茶です。愚かです。三歳です。
死ぬかと思いました…。

鬼としか思えない親父の所業。
今でこそ話の種として
笑いとばせるものですが
あの頃の僕らには死活問題。
脳裏をよぎる「復讐」
言葉は知らずとも
そんな感情が
芽生えた瞬間でありました。
「いつか、みとけよ!」
【翻訳】
(おのれ~今にみておれ!)

犬掻きで近寄る大五郎の涙目を
今でもハッキリと鮮明に
記憶しています。
僕に泳ぎを教えてくれたのは、
紛れもなく「大五郎」と
呼ばれたシェパード犬
でした…おしまい。

涙目の大五郎に感謝して
また、明日。

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