聞こえてますか?archive 「向山のボス猿」

聞こえてますか?
彼は、△(サンカク)中学
二年三組の顔でした…。
猿は、秩序ある社会構造を
作っているとされ
リーダーとなる雄は、
群れ全体を率いている。
敢えて動物に例えて云うならば、
彼は正しく 向山のボス猿でした。

今も昔も変わらず雄の社会は
厳しいもので
弱肉強食 喰うか喰われるか !
僕等にとって学校とは、
メンツを賭けた
男達の戦場でした。

クラス替えになった三組は、
山岳地帯(向山 穂刈道)を
縄張りとする彼の天下で、
向山のボス猿の名を
欲しいままにしていました。
「彼奴はおおちゃっか打つ」
【翻訳】
「彼は生意気だから締める」
まだ組に馴染めない僕は、
標的の纏でした。

そんなある日、
僕は些細な事から
隣組の転校生逸れ(ハグレ)猿と
諍いを起こしてしまいます。
解せない僕は、
逸れ猿のアジトに
カチコミをかけますが、
なれない山道で
すっかり迷ってしまいました。

「逸れ猿の家はどこですか?」
洗濯物を取り込む
女人に僕が訪ねると
恰幅のいいその腰を上げながら、
「ぎゃん行って
ぎゃん行って ぎゃん」
【翻訳】
「あの角を曲がって
山道をお行きなさい」と
気さくに教えてくれました。
的確な道案内の甲斐あって僕は、
晴れて逸れ猿との
果し合いの場へと
向う事が出来たのです。

勝敗は如何に!
男のメンツに賭けてそれは、
控えさせていただきます。
ただ云えることは、
僕らの喧嘩は「こと」が
終わればノーサイド。
何処か爽やかなものが
ありました。
そんな、時代でした…。

あくる日、僕に向かって
向山のボス猿が言うのです。
「ワリャ~昨日~喧嘩したろ~!」
【翻訳】
「君は昨日 喧嘩をしたのかい?」
恰幅のいい女人は、
ボス猿のお母さんでした。
それから僕とボス猿の、
長い付き合いが始まるのでした…〆

向山のボス猿に感謝して
また、明日。

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