男女7人高円寺 play back 2話「優しい声の人」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
あれから二十数年…。
帰郷した花の男は、
今も熊本県の戸馳島で
とても綺麗な蘭の花を
育てています。

その頃の僕は、作詞家であり
劇作家でもある
岡田教和先生の門下生となり
付き人として生業を得て
車の運転 鞄持ち 物書きの
勉強をして過ごしていました。

そんな僕の書く詞や物語を
男女7人の中で熱心に
読んでくれる女性がいました。
物腰はいつも柔らかく 控えめで
優しい声を持った人でした。
それでいて、
読み終えた彼女の助言は
辛辣を極め 容赦のない
批評が展開されるのです。
僕は、そのたびに
首を垂れて書き直しを
余儀なくされるのでした。
彼女のその声に秘めた
『強い意志』みたいなものを
優しさの中に感じていました。

物書きで奮闘する僕を気遣い
徹夜の時も付き合ってくれ
ワープロで文字を
おこしてもくれました。
鉛筆からインクへと様変わりする
整頓された文字の色とカタチ…。
拙い僕の文章が、綺麗に
化粧されてゆくようで
とても嬉しかったのを
覚えています。
手伝ってくれた
彼女の貴重な『時間』を
僕は、忘れません…続く。

優しい声の人に感謝して
また、明日。

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