聞こえてますか? 畦道とハイヒール 総集編2 「ひとの目」episode3

聞こえてますか?
畦道とハイヒール 総集編

聞こえてますか?
昨日の続き…。
TPOを完全に度外視した
あなたの出で立ちは、
当時 お茶の間を賑わした
地球外生命体
エイリアンに違いないと
子供ながらに疑ったものでした。

1975年 春 今日は入園式。
黄色い肩掛けポーチと
ひらひらの付いたフリルに
青いドット模様の服を着せられて
はじめての幼稚園に向かいます。
島にも保育園という
施設はありました。
だけど、宇土半島にある
その園に預ける事を
あなたは決めました。
それには、
理由があった様ですね。

車の免許を持たない両親。
島民にとって自動車は、
不可欠なものでした。
我が家では舟だけが頼り。
役所の手続きや、日々の生活に
便利な場所を選ぶのは
無理からぬことでした。
そんな家庭の事情も重なり
僕は、他の子供よりは少ない
一年間という
半島での幼稚園生活を
送ることになりました。

そんな親の思いなど
知る由もなく
僕は只々恐れているのでした。
あなたのことです。
入園式では、
きっと張り切るでしよう…。
日に日にエスカレートする
メイク&ファッション。
五歳になったばかりの僕は、
あなたを見る人の目ばかりを
気にしていました。

👠「嘘」episode4

聞こえてますか?
宇土半島のつま先
三角岳をはじめとした
山々が連なる三角町。
その中のひとつ、
天翔台なる山の裾野に
あなたが決めた幼稚園が
ありました。
僕はそこで更に疑念を
深めてしまいます。
皆一様に手を繋いだ
園児たちがやって来ます。
だけれど、僕の興味は目下
その手を引く保護者の方で
ありました。
何故ならそこへ来る女性は、
僕が思い描くお母さん像
そのものだったからです。

そして僕は、
あなたを見上げるのです。
新型のmake up…。
いつにもまして
顔が光っています。
金と銀の折り紙を散りばめた
ようなそのキラキラは、
「どこの壁に
ぶつけたのですか?」
と聞きたくなる位であります。
港町の春の日差しを
甘く見てはなりません。
照り返しがきついのです。
チカチカしてシュパシュパ
しております。
あなたは、そこでも
完全に浮いていましたね…。

「あれ、誰のお母さん?」
半島に住む見知らぬ子供が
僕に尋ねました…「知らん」。
僕は、直ぐバレる嘘を
つきました。
人と違うということに少なからず
抵抗を感じていたのです。

やっぱりあなたは、
この星の人ではないと
そう思い込むことで
その時々を
やり過ごしていました。
1975年の春は、僕の嘘から
はじまるのでした…続く。

遠き日に感謝して
また、明日。

“聞こえてますか? 畦道とハイヒール 総集編2 「ひとの目」episode3” への2件の返信

  1. 私も中学生のとき母親の代わりに来てくれた叔母があまりにも派手すぎて恥ずかしい思いをしたことを懐かしく思い出しました

    1. 白川様

      コメント ありがとうございます。
      それから、返信が遅れたこと
      お詫び致します。
      久々に本文を読み返し
      メッセージがあることに
      気づき 今になってしまいました。

      母代わりの方だったのですね…。
      やはり、時代なのでしょうか^_^
      当時 まだ子供だった僕は、
      田舎育ちのせいか
      素朴なもの以外に
      反抗していたようです。

      これからも
      どうぞ宜しくお願い致します。

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