汚れなき愛を信じて 総集編 playback…3

🌿一章/6話「屋根裏部屋」後編

聞こえてますか?
『汚れなき愛を信じて』は、
音や文字で確かめるまでもなく
既に出来上がっていたのかも
知れません。

彼女の話は、まだ続いています。
幸せな時間でした。
その声を聴きながら…
その体温を感じながら…
ごくごく自然に、淡々と…
時は、流れて行くのでした…続く。

夜明けの屋根裏部屋で
はじめて君を抱いた時間
煙草の煙とひかり 時を忘れた

何もしなくていい
側にいてくれるだけ
無邪気に微笑う君を
離さない 悲しませない

あなたのために何が出来る
君は何度も聞くけど
かけがえのない君がいればいいよ
汚れなき愛を信じて
〜歌詞 2chorusより

そのぬくもりに感謝して
また、明日。

🌱二章/7話「船堀橋」

聞こえてますか?
彼女のマンションは、
東京江戸川の船堀と
いう街にありました。
江東区と江戸川区を渡す橋
それが船堀橋であります。
0メートル地帯として知られる
その両側の河川敷周辺は、
満潮面になると3.5メートル
低い場所にあり
川の氾濫を防ぐために
スーパー堤防なるものが
建てられています。
互いの複雑な地形から
人工的に造られた坂の上に
その橋は架けられていました。

僕が住む百草高台
その聖蹟桜ヶ丘との往来には
欠かせない橋であったのです。
何よりそこから見える景色と
吹き抜ける風が好きでした。

坂道をのぼり出す頃に
彼女は、手回しでドイツ車とは
名ばかりの車の窓を開けました。
東京湾に近いそこは、
海風がよく通り
潮の香りと夏の到来を
教えてくれたりもします。
僕も同じように
その草臥れた車の窓を開けました。
そこから見えるものは、
空を切り取るビルの影ではなく
どこまでも透き通った空と
海へと伸びる川の流れだけを
映し出していました。
島育ちの僕には、何処か
懐かしさを感じさせるものが
あったのかも知れません。

彼女は、
その風に手を翳しています。
それはとても眩しくて
美しい光景であるのでした…続く。

船堀橋の風に感謝して
また、明日。

🌱二章/8話「船堀タワー」

聞こえてますか?
夜にもなると
この街のシンボルといえる
船堀タワーが顔を変え
赤い光を浮かばせていました。
飛行機が迷わないようにと
点けらたそれは、東京に来て
間もない僕にとっても
道しるべとなっていました。

船堀橋を渡り
その目印を頼りに僕は
ハンドルを回します。
この街で一番高い建築物の麓に
彼女のマンションはありました。
最初にお邪魔した時の驚きは、
今でも記憶に残っています。

渡辺篤史の建もの探訪!
其れは其れは
素晴らしい建築物でありました。
彼女のマンションを見て
僕は面食らって
しまうのでした…続く。

船堀タワーの灯りに感謝して
また、明日。

🌱二章/9話
「プリンス・マンション」

聞こえてますか?
セレブとは、いつの頃からの
言葉なのでしょう。
少なくとも10階以上ある
その構造物は、
その頃トレンディードラマが
流行していた時代で
その主人公が住むものに
よく似ていました。
何より一階に
コンビニエンス・ストアー
LAWSONがあるのです!
何と便利なのでしょう…。
見上げる彼女の部屋の窓は、
円形にカーブしており
しかも出窓であるのです。
そのアーチ型を考案した
設計者は大したものであります。
苦心して創り上げた
のであろうそれは
その建築物の顔でありました。

タイルをあしらった
ビルの壁は、
♪パープルレインで知られる
USAシンガー・プリンスの
衣装のような紫色でありまして
船堀通りに面したそれは
車のヘッドライトライトに
反射して眩しく光っていました。
贅沢に何千枚も敷き詰められた
お風呂場で見られるそれは
周りを見比べても
目を引くものでありました。

一言でいえば限りなく
垢抜けているのです。
未だ嘗て、そんな家に住む人と
お知り合いになったことなど
ありませでした。
僕が住む百草高台の
屋根裏のあるアパートとは
天と地ほどの違いです。

一世を風靡したドラマ
北の国からの登場人物
純の台詞を借りるなら
「僕は、ドキドキしていた…」
でありました…続く。

初体験に感謝して
また、明日。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です