汚れなき愛を信じて 総集編 playback…13

☘️三章/35話「男女7人三人娘」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
遠い昔…。
小学四年生の僕は、
ソフトボールのある試合で
大抜擢されそうになりました。
監督が見ているのが分かります。
球技が好きで試合に出たくて
入った部活動の筈なのに…。
あろう事か僕は、
その監督の目を逸らし
俯いてしまいました。
あの時監督は、
体育座りをするその膝の間に
こうべを垂らした子供を
どんな思いで見ていたのでしょう…。
逃げ出すと云う僕の一手は、
まるで暗示にかかったように
僕の心を停止させるのでした。

それからの僕は、まるで坂道を
転げ落ちるようなものでした。
自ら作りあげた『殻』は、
彼女を悩ませる事になります。
こんなことがありました…。

*ブログ『男女7人高円寺』でも
触れた登場人物。
ひょんなことから
その男女7人の三人娘が、
「船堀の彼女に会いたい」と
言い出しました。
僕の書き物を手伝ってくれた
優しい声のひと。
ムードメーカーのりぃー子
そして、いつもぶつかって
ばかりだった厄介な彼女。
冷やかしもあったのでしょう。
半ば、同郷の連帯感からなのか。
はたまた、
心配もあってからなのか…。
嫌!彼女たちに至っては、
好奇心であったに違いありません。
こう云うことへの探究心は、
半端のないものでしたから…。

後日、彼女にその話をすると
思いのほか乗り気で
船堀のプリンス・マンションで
ホームパーティーを開く
ことになりました。
意外でした。
何度かバンドメンバーとは、
飲んだことはあっても
女友達は初めてのことでした。

その頃の僕は、
船堀のマンションに入り浸りで
殆ど、百草高台の屋根裏には
帰ってはいませんでした。
箱バンと呼ばれたbandmanたち。
その演奏場所が、
錦糸町や亀戸にあったから…。
いいえ違います。
本当の理由は他にありました。
僕は、彼女に依存していたのです。
自覚は確かにありました。
そんな自分が嫌でしたから…。

思い返してみれば、
あの日を境にして
二人のすれ違いを
決定的なものに
したのかも知れません。
ホームパーティーは、
明日に迫っていました…続く。

遠き日に感謝して
また、明日。

☘️三章/36話「ホームパーティー」

聞こえてますか?
船堀でのホームパーティーは、
最初から不穏な空気を
漂わせていました。
僕らは、その準備(焼肉)に追われ
ちょっとした食い違いから
言い争いをしていた事にも
原因があるのかも知れません。

気心知れた同郷の三人娘。
もっと自然に
振る舞うことが出来る筈なのに
どうも上手くいきません。
三人娘と彼女との間を繋ごうと
必死であります。
だけれど、
今ひとつ嚙み合いません。

当時のことを思い返すたびに
思うのです。
嚙み合ってなかったのは、
むしろ僕の方で
何とかしようと必死になり
それがやがて思わぬ方向に陥り
蟻地獄のような砂の中に
自ら嵌ってゆく…。
自分で自分の首を締めていく…。
男女7人高円寺に登場する
空回りの男のようです。
人のことは言えません。
まさに僕は、
それでありました。

そんなドツボに嵌っていく
僕にいち早く気付いたのは
やはり、優しい声のひとでした。
その場を盛り上げようと
合いの手を入れてくれます。
そんなことなど御構い無しと
ダメだしの女王 厄介な彼女が
僕をからかいます。
いつもなら間髪入れずに
言い返す筈の言葉は、
この時ばかりは口から
ついて出てはくれません。
僕は、苦笑いをしながら
俯くほか術がなかったのでした。
何たる失態、何たる体たらく。
最悪です。
男女7人の三人娘
りぃ~子が言いました。
「今日は、元気のなかね〜」
【翻訳】
*今日は、元気がないね〜

元気がないのは、
今に始まったことでは
ありませんでした。
最近ずっと
会えば喧嘩になる僕らは、
互いに疲れていました。
このパーティーも
そんな、喧嘩続きの二人には
いい機会だと思っての
ことでもありました。
それがこのありさまです。

カリッと心の音が聴こえます…。
勝手に作りあげた
『殻』が、その入り口を
開けました…続く。

今があることに感謝して
また、明日。

☘️三章/37話「逃亡」

聞こえてますか?
あり得ない事態です。
僕は何を考えているのでしょう…。
焼肉の食材はたっぷりと
用意されているにも関わらず
僕は、買い出しに行くと
言い出しました。
彼女はそんな僕を制します。
だけど、僕は聞き入れません。
結局 高円寺三人娘を船堀の
プリンス・マンションに
残したまま
僕らは車で買い出しに
行くのでした。

何を買いに行くも
目的がないのです。
高円寺三人娘が
悪い理由(わけ)ではないのです。
彼女のせいでも勿論ないのです。
時より発作のように現れる
感情の起伏は僕の声を奪います。
勝手病なるそれは
またもや
僕の心を停止させました。
招待した側の逃亡。
助手席の彼女は、
もう付き合いきれない
といった面持ちで
船堀橋から見える
川の向こうを無言で眺めています。
橋の上の吹き抜ける風は冷く
冬の到来を教えてくれました。

いくらか気持ちを整えた
僕はマンションに戻ります。
だけれど、
その日のパーティーは、
最後まで楽しい酒の席では
ありませんでした…続く。

三人娘に感謝して
また、明日。

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