汚れなき愛を信じて 総集編 playback…17

🍀四章/45話「影」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
前夜からの二人の喧嘩は、
明け方まで続きます。
それでもおさまりの
付く気配がありません。
楽屋入りの時間が
近づいた僕は、
後ろ髪を引かれる思いで
彼女を後にします。
大切な日 その顔に
泣き腫らした跡を残す女と
歌うたいにとって大切な
喉を枯らした男は、
どちらも愚かでした…。

東京は渋谷にある
老舗のライブハウスTAKE OFF 7。
今日は、来ないだろう…。
本番前のリハーサルあとに
僕はそんなことを思っていました。
1990年初頭の時代
気軽に相手の様子を
伺うことの出来る
メールや携帯電話などありません。
手前勝手な気持ちでしか
推し量る術がありませんでした。

Liveがはじまりました。
彼女の姿はないようです。
このまま、終わってしまうのかな。
僕はいよいよ、そう感じていました。
肝入りで準備を重ねたワンマンLive。
出会ったばかりの頃
新宿アルタ前の路上で歌っていた
ことが思い出されます。
彼女に見て欲しいな…。
ずっと、運営に携わって来ていたし
お客様がまだ疎らだったのを
誰よりも近くで見ていたひとだから…。
満員になったこの会場を見たら
喜んでくれるに違いない。
僕は強く願いました。

演奏も終盤にさしかかり
最後の曲のイントロが流れた
その時…。
音を遮るために
分厚く造られたライブハウスの
大扉が開きました。
暗がりの会場に光がさします。
それは、人影のシルエットだけを
僕の目に映しました。
スラリと伸びたその長身は、
どこでだって目立ってしまいます。
彼女でした…続く。

その影に感謝して
また、明日。

🍀四章/46話「ツナガリ」

聞こえてますか?
百草高台の屋根裏の夜の歌が
はじまります…。
諦めかけていた関係は、
まだ歌の糸で繋がっていました。
彼女は、一度として
僕の歌への気持を
違えた事などありませんでした。
それは、
誰かの彼氏彼女のような
趣旨のものではなく
ひとりの女として
Liveに足を運ぶもの…。
彼女だけが知る強い信念だったに
違いありません。

歌の糸で繋がった
男と女という生きものは、
ピンと張りつめた
目にはみえない『ツナガリ』を
その瞬間 その一音に感じて
生きるものなのかも知れません。
僕は、彼女に教えられたのです。
決して外に出られる状態で
無かったにも拘らず
こうしてひとりの男の
歌を聴きに来るのは、
ひとりの女としての生きざま
彼女の『シルシ』に
他ならないのでした…続く。

夏を前にした風
君は大きく吸いこんだ
微笑む君の仕草を こよなく愛した
人を信じるたびに
深く傷ついてきたから
君は誰よりもきっと 人にやさしい

私は弱くないわ
ひとりで生きてゆけるわ
強がる君の瞳 微かな涙をみたよ

君が愛した男たちに
負けない愛を捧げよう
君がいるだけで 僕は強くなれる
汚れなき愛を信じて
〜1coachより

そのシルシに感謝して
また、明日。

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