for you…playback Part 4

🌙rain season
11話「Mission」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
「打ち上げ何処に行く?」
の号令一下!リハを終え
我らが向った先は、紛れもなく
強いアルコールが多数存在する
メキシコ料理店を置いて
他に無いのでありました…。

国道246号線三宿の交差点。
進行方向を三軒茶屋とし
左に曲がれば
彼女Mが住む下馬方面に
行くことが出来ます。
その道路沿いの並木道には、
三宿の街を象徴するかの
ようにお洒落な店舗が
軒を連ね賑わいを見せており
ZESTの姉妹店でもある
イタリア料理店ラ・ボエムも
その並びにありました。
後にそこは、もう一つの
想いでの場となります。

だけれど、そこに至るまでに
何度もの試練を乗り越えなく
てはなりませんでした…。
そんな事など知る由もない
憐れなアフリカーナは、
自身の音楽活動に邁進し
その身に付ける衣装も
エスカレートする一方で
どんどんと薄汚れて
行くのでした…。

あの頃を振り返るたびに
思うのです。
上京して数年…。
誰もやっていない新しい音楽を!
それを目指して
しゃかりきだった時代。
そんな自分を俯瞰で見る余裕が
無かったようです。
少しだけ思い込みの強い僕は、
音楽と同様 三宿のMにも
のめり込んでいく事になります。
こっぴどく振られ
これでもかってくらいに
叩きのめされることも知らずに…。

そんな僕の最初のMissionは、
ダイヤルMをまわせ!ならぬ
「Mの電話番号を聞きだせ!」
でありました…続く。

夢に感謝して
また、明日。

🌙rain season
12話「ダイヤルM」前編

聞こえてますか?
【M_1電話番号GET作戦…】
携帯電話並びにスマートフォン
など無い時代。
当然、現代のようなSNSなど
発展を遂げてはおらず
「LINE教えて〜」的な
軽い乗りで聞き出せる
代物ではありません。
自宅なのです。固定式です。
東京03なのであります。
全てはNTTが
支配していたのです!
それはそれは、
高いハードルでありました。

皆一様に口を
揃えて言いました。
「彼女は無理だよ…
…違い過ぎる」続けて
揶揄うように
メンバーのひとり
巨漢の持ち主が、
図太い声をあげながら
「その髪型じゃね〜」と
笑います。モヒカンに
言われたくはありません。

次にスキンヘッドの
ハードロッカーが、
「ファッションのセンスがね」
などと吐かします。
夏でもライダースの革ジャンを
着ている男に
言われたくはありません。
僕にしてみたら
その肩にあしらった
金属の突起物!
「それで何を…
刺したいのですか?」と
言いたくなるくらいです。
暑苦しくてなりません。
却下です。

そして、ダンサーである
ドレッドヘアーの彼。
「裸ですか?」と
訪ねたいくらい
服を着ているにも拘らず
肌の露出度が何気に多い
筋肉マンが、
トドメの言葉を放ちました。
「先ずは電話番号だね〜」
大当たり、正解です。
だけれど、
当たり前と云えば当たり前。
どう聞き出すかが
肝心なのです。

そんなことに時間を
割きながら今日も
Mの電話番号を聞きだせない
異様な髪型軍団の夜は
過ぎて行きました。
「ダイヤルM」
ミッション イン ポッシブルの
遂行までには、暫くの時間と
少しばかりの勇気を
必要とするのでした…続く。

異様な髪型軍団に感謝して
また、明日。

🌙rain season
13話「ダイヤルM」中編

聞こえてますか?
チャンスは突然に!
いつものように
一頻り呑んだ我ら軍団は、
お会計に向かいます。
そのレジ打ち つまりは、
勘定場にMの姿がありました。
皆一様に顔を見合わせ
絶好の機会とばかりに
僕の顔を伺っております。
異様な風貌の割に
あがり症のアフリカーナ。
人間…意識すると
どうもにもいけません。
ゼンマイ仕掛けの機会的な
手足の動作と胸を押さえ
付けられたような圧迫感。

そんな僕は、
自然に財布を取り出し
さりげなく支払いを
済ませられるのでしょうか?
それだけでも
高い壁であるようです。
そして、最大のミッション
「ダイヤルM」即ち
彼女の電話番号を聞きだす事が
果たして出来るので
ありましょうか❗️…続く。

チャンスに感謝して
また、明日。

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