聞こえてますか? あなたに捧ぐ…。マーマレード/marmalade 1

聞こえてますか?
あなた、はいつも
出迎えてくれましたね。
家の窓から舟が
見えるものだから。
父が漁から帰って来る時。
僕が学校から帰って来る時。
それから、
送り出してもくれました。
中学を卒業し家を出た時。
上京する時。
そして、病院の踊り場でも…。
見えなくなるまで手を
振っていましたね。
小さな体から伸びた
その細い腕で…。
あなたらしい
その独創的な手の振り方で…。

あなたが好きだった
シルヴィ・バルタンを
聴きながら車を走らせます。

療養を送る市内の病院まで
戸馳大橋を車で渡たり1時間30分。
熊本の空は、
ビルに切り取られた
東京のそれよりも広いから
帯山方面に建つ
電波塔がよく見えます。
山を越えたら
それを目指して車を走らせます。
不安な夜を過ごすあなたは、
僕と同じものを
その窓から見ていたんだと
今も思っています…。

🎵
遠い夏の日 君は風を集めて
海を渡る人
いつも 見つめていたね
茜色の空
時を止めたのは 何故

君はマーマレード
オレンジ色の想いで
瞳を閉じたらいつも
君に会える
夏が終わる 八月の夕日
馴染んでた君
僕はいつ いつまでも
忘れない

2014年12月17日
あれから、四年の今日に…。
あなたに感謝して
また、明日。

🌙マーマレード/marmalade 2

聞こえてますか?
子供には分かりませんでした。
何で、牛乳を飲まなくては
ならないのか。
どうして、野菜を勧めるのか。
何ゆえ、我が家の献立は
骨があって食べにくい
魚が多いのか。
どうして、何で?

1、家庭の事情
2、魚はタダ
3、父の好み

本当は、ハンバーグが
食べたかった…。
🎵
街を離れて過ぎた 季節の中で
変わらないものは 君の温かい心
「お腹空いてない?」
電話の向こうの 声

君はマーマレード
オレンジ色の想いで
瞳を閉じたら
いつも 君に会える
輝いてた 飾らない笑顔
心の中に 君が
いついつまでも いるから
歌詞 マーマレードより

おふくろに感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 最終話「空回りの男」後編

聞こえてますか?
昨日の続き…。
こんなエピソードがあります。
それは、僕たち同級生が
上京して二年が過ぎた頃の話…。
就職組の彼が、男女7人集まる中で
「おら〜仕事ば〜やむるっ」
【翻訳】
*俺は、仕事を辞めるよ
と言ったことから始まります。

いつもひょげ’倒す空回りの男。
この時ばかりは、
深妙な面持ちで絞りだすような
声で言いました。
「おらぁ〜
仕事ばやむるっ…大学出に
どがんしたっちゃ~勝たん…」
【翻訳】
*僕は仕事を辞めるよ
大学出身者にどうしても勝てない
続けて…
「だけん おらぁ〜新聞配達
したっちゃ 大学受験するっ」
*新聞配達しながらでも
大学受験をするよ

それは、六畳一間の
高円寺のアパートで
彼が発した決意表明でした。
一瞬 テレビのブラウン管の
静止画面にノイズが走る
衝撃を覚えました。
彼の願いは、到底
報われる事のない
無謀なものでした…。

スポンサーもなしに
新聞配達の稼ぎだけで
どれだけやれるのか…。
生活 試験 その後の学費は?
何より親へのしおくりは
どうする…?
同級生たちは、口々に
反対の声をあげました。

東京と田舎である
熊本とでは貨幣価値 即ち
一万円は決して比例しない。
消費のスピードが
明らかに違うのです。
僕たち上京して来た者は、
先ずそれをこの東京で
思い知らされるのでした。
その上 受験勉強する時間を
どう確保するのか…
再就職でさえ大変な時代
課題は山積み…。
同級生たちの反対は、
無理もない事でした。
それは、空回りの男に対する
肌で感じた本物の心配…
愛情表現に
他ならないものでした。

だけれど、男女7人の中に
賛成に回る者がひとり…。
僕でした。なぜなら、
彼が東京に抱く
コンプレックスの源が
そこにあるように
思えたからです。
第一 彼が言った時点で考えを
曲げない事を知っていたし
何より、そんな生き方が
僕は好きでした。

それからの
彼のガマだし(頑張り)は、
他に類を見ないもので
ありました。
怒涛のような不安と困難の中で
いつ勉強をしているのだろうと
思うくらい彼は働きました。
いつ寝ているのか
分からないくらい学業に
励む彼の姿を僕たちは
見ていました。

そして二年後…。
朝夕の新聞配達 受験勉強を
やり抜いた彼は、見事
大学に受かって見せました。
感動を禁じ得ません。
心から凄いと思いました。

2016年 熊本震災…。
同窓会チャリティーライブも
彼の計らいから実現しました。
『空回りの男』は絶好調❗️
みんなを楽しませようと
ひょげ’倒します。
失笑です。愚かです。迷惑です。
相変わらず
彼のハートは強く そして 、
尊いものでありました…完。

追伸
花の男へ…
おふくろに蘭の花をありがとう。
優しい男へ…
あの日、駆けつけてくれて
ありがとう。
りぃ~子へ…
2017.7.21ライブに来てくれて
ありがとう。
空回りの男へ…
あの日、泣いてくれて
ありがとう。
優しい声の人と厄介な彼女は
幸せな家庭を築いていると
聞きいています。
いつまでも幸せに…。

生徒会長 やっちん なお
ゆみっぺ かめちんへ…
2018年みなと祭りライブの段取り
心遣いをありがとう。
三角中学同級生
いつか また会える日を願い
🍎男女7人高円寺に感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 9話「空回りの男」前編

聞こえてますか?

昨日の続き…。
それから暫くして
行きつけであった
高円寺のカラオケ店も閉店し
四年目の節目 卒業と共に
僕たち男女7人の集まりも
終わりを迎えるのでした…。

忘れるところでした!
男女7人の最後のひとり。
あなたもよく知る
空回りする男のお話です。

彼は、僕たちを喜ばせようと
いつもひょげ’て見せる男でした。
ただ、『笑わせよう』感が
強すぎて残念ながら
空回りしてしまいます。
そこで終われば良いのに
彼は、それを繰り返すという
稀有なハートの
持ち主でありました。

付き合いで笑っているのに…。
ウケたと勘違いした空回りの男!
どぉーだぁ~な顔で
二度被せて来ます。
女子三人組の失笑を
食らってもめげません。
三度目には、優しい男の
舌打ちが聞こえて来ます。
四度目にもなる頃には、
温厚な花の男でさえ見限り
無視を決め込みます。
流石の五度目は………。
悲惨です。愚かです。迷惑です。
目もあてられません。

でも僕は、そんな
ひょげ樣’が好きでした。
なぜなら、馬鹿を演じる
彼の生真面目さを誰より
知っていたからです。
決して面白くはないけれど❗️

こんなエピソードがあります。
それは、僕たち同級生が
上京して二年が過ぎた頃の話…。
就職組の彼が、男女7人集まる中で
「おら〜仕事ば〜やむるっ」
【翻訳】
*俺は、仕事を辞めるよ
と言ったことから
始まります…続く。

🌰空回りの男に感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 8話「優しい男」後編

聞こえてますか?
昨日の続き…。
東京に一番馴染んで
何でも出来る男…。
そう、思っていました。
だけれど、いつの頃からか
彼は高円寺の集まりに
顔を出さなくなって
しまいました。

心配した僕たちは、
当時 固定式であった彼の
留守番電話機能にメッセージを
残すのですが、次第に返事も
なくなってゆきました。

男女7人が上京して
三年が経った頃…。
サシで飲む機会が訪れました。
彼の住む街は、
京王電鉄 新宿から
三っ目にある駅にありました。
新宿から一里(7キロ)の
距離にあたり
甲州街道の両脇に塚があり
笹に覆われた事から
『笹塚』と呼ばれた街。

美味しい焼き鳥屋が
駅前にあると云うので
僕と彼はその店で
向き合う事になりました。
何気なく訪ねてみます。
「顔 ださんね〜」
【翻訳】
*顔を見せなくなったね
暫しの沈黙のあと彼が答えます。
「思うところがあってね…」
そして、更に言葉を続けました。

東京での生活と
これからを模索し
その中でのプレッシャーに
押し潰されそうな
彼を知りました。
それと同時に同級生と云う
枠の中でいつまでも
甘えてはいられない…。
そんな気心の知れた集まりに
距離を感じているようでした。
陽気に振る舞ってはいても
彼は、人一倍考え
深く悩んでいました。

現在では、
当たり前になりつつある
大学への進学…。
だけど、僕らの時代では
半数以上が就職でありました。
彼の脳裏に浮かんだものは、
『親』であったに
違いありません。
両親の汗水あっての金
つまりは学費としおくり…。
それは、優しい男故に垣間見る
自分に厳しくも親への感謝を
忘れないものでありました。

僕は、何もわかって
いませんでした。
学生気分が抜けきれない
自分自身を思い知らされ
言葉を失います。
会話もそこから先が進みません。
美味しいと評判の焼き鳥も
すっかり冷えて
しまっていました…。

それから暫くして
行きつけであった
高円寺のカラオケ店も閉店し
四年目の節目 卒業と共に
僕たち男女7人の集まりも
終わりを迎えるのでした…続く。

🍋彼の言葉に感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 7話「優しい男」前編

聞こえてますか?
昨日の続き…。
あれから二十数年…。
あの頃に思いを馳せながら
楽しい夜は過ぎて行きました。
笑顔を絶やさない彼女は、
今も変わる事なく
健在でありました。

男女7人の中には、
厄介な彼女ともう一人の
大学生がいました。
彼は、いち早く『方言』と
云う高いハードルを克服し
頭も切れ話題も豊富であり
その場を盛り上げてくれます。
そんな彼は、東京に馴染めず
人と上手く話せない僕を
気遣う優しい男でもありました。

例えば、電車の移動方法。
間違えても馬鹿にしないで
丁寧に教えてくれます。
物怖じする僕を学園祭に
誘ってくれたりもします。
当時ハマった銀河英雄伝の
ロールプレイングゲーム。
操作方法など
最初から躓いても根気よく
付き合ってもくれました。

東京に一番馴染んで
何でも出来る男…。
そう、思っていました。
だけれど、いつの頃からか
彼は高円寺の集まりに
顔を出さなくなって
しまいました…続く。

🍏優しい男に感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 6話「song for USA」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
彼女は思わず吹き出すのです。
僕たちの共通の話題
高円寺の南口にあった
カラオケ店。
行きつけの『song for USA』を
思い出したからでした…。

毎週土曜日の夜は、
高円寺北口の純情商店街の
先にある僕のアパートに
一度集まり それから、
行きつけの南口の店に
繰り出すのが
いつものパターンでした。

現在のカラオケBOXとは異なり
店の看板ともいえる
ステージで歌うそれは、
ライブハウスのようで
緊張感を演出しておりました。
何より、スタッフ一丸となって
盛り上げるスタイルの
song for USAは馴染みの
常連客で賑わいを
見せていました。

女性上位の男女7人…。
主導権は、いつだって
彼女たちでした。楽しい事と
スイーツに目がない
女性の本能と云う可きか…。
男狩りにでも行くかの如く
女子三人組が先頭を切って
純情商店街を闊歩する様は
其れは其れは勇ましく
威風堂々たるものでした。
一方我ら男たちは、
女たちの背中を追いながら
母親に連れられた子供のように
後に続くのでありました。

あれから二十数年…。
あの頃に思いを馳せながら
楽しい夜は過ぎて行きました。
笑顔を絶やさない彼女は、
今も変わる事なく
健在でありました…続く。

🍇りぃ~子に感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 5話「微笑みりぃ~子」

聞こえてますか?

昨日の続き…。
いつもぶつかってばかり…。
だけど、一番一緒にいたのは
彼女だったように思えます。
明るく振る舞ってはいても
手強い この東京の街に
中々馴染めない不安な彼女を
知っていたからです。
本当に甘えていたのは、
僕の方…だったのかも
知れません。

2017年 りぃ~子と愛称された
男女7人の一人に会いました。
就職で上京した彼女は、
7人の中のムードメーカー。
男たちのから騒ぎにも
いつもニコニコで対応してくれる
微笑みの人でありました。

あれから、
二十数年ぶり再会
話題に尽きる事はありません。
とても、愉しい時間を
過ごす事が出来ました。
自ずとあの頃が蘇ります。

りぃ~子が言いました。
「あんたたち よぉ~
喧嘩しょったね〜」
【翻訳】
*あなた達 よく 喧嘩してたね
僕と厄介な彼女の事を指して
りぃ~子は言うのです。

僕も続けます。
「あんたたち、三人 純情商店街ば
我が庭のごつ 闊歩しょったね!」
【翻訳】
*高円寺の純情商店街を
私の街よ!と言わんばかりに
颯爽と歩いていたよね!
僕は、優しい声の人
厄介な彼女とりぃ~子の三人を
指して言ったのでした。

それから、
「マリリン・モンローのごつ
ぎゃ〜ん”して歩きよった!」
【翻訳】
*名を馳せたハリウッド女優
モンロー・ウォークばりに!
ぎゃ〜ん”とは…動作を交えた
熊本ならではの表現方法。

彼女は、思わず吹き出すのです。
僕たちの共通の話題 高円寺の南口にあったカラオケ店。
行きつけの『song for USA』を
思い出したからでした…続く。

🍅再会に感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 4話「厄介な彼女」後編

聞こえてますか?
昨日の続き…。
自由奔放で真っ直ぐな人。
だけれど、気が強そうに見えて
本当は脆いと云う事を
彼女のどこかに
感じてもいました。
時折 そんな目をするからです。
それは、彼女が
生まれながらに持った
『淋しさ』のように
思えてならないのでした。

彼女は、同じ高円寺に
住んでいた事もあって
困りごとの度に
頼みごとをして来ます。
近所付き合いとは言え
甘えは禁物であります。

「終電に乗り遅れた!」
当時 固定式であった
電話のベルを喧しく鳴らして
その甲高い声で
僕に訴えるのです。
呼びだしです。
夜中でも御構い無しの彼女…。
迷惑です!

こんな事もありました。
遊びに来ていた彼女…。
僕の家の電話。
当たり前のように
勝手に出たります。
ダメです!

学園生活で何かあったのか?
愚痴を言いにやって来ます。
矢継ぎ早にひとしきり
喋り倒したあと
腹の虫が治ったのか
ケロッとして帰って行きます。
眠いです!

僕ら男女7人は、計画を立てて
良く旅行に出かけました。
旅の途中 面倒な事になると
決まって彼女は、
僕を指差します。
愚かです!

いつもぶつかってばかり…。
だけど、一番一緒にいたのは
彼女だったように思えます。
明るく振る舞ってはいても
手強い この東京の街に
中々馴染めない不安な彼女を
知っていたからです。
本当に甘えていたのは、
僕の方…だったのかも
知れません…続く。

🍓厄介な彼女に感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 3話「厄介な彼女」前編

聞こえてますか?
昨日の続き…。
物書きで奮闘する僕を気遣い
徹夜の時も付き合ってくれ
ワープロで文字を
おこしてもくれました。
鉛筆からインクへと様変わりする
整頓された文字の色とカタチ…。
拙い僕の文章が、綺麗に
化粧されてゆくようで
とても嬉しかったのを
覚えています。
手伝ってくれた
彼女の貴重な『時間』を
僕は忘れません。

週末ともなれば、
高円寺砦に 同級生
男女7人が集まります。
その中にひとり…
とても、厄介な女性がいました。
大学の進学で上京した彼女。
僕たちは、
よく言い争いをしました。
何事も否定的な彼女の物言いに
食ってかかるのですが、
遥かに劣る僕のボキャブラリー…。
負けは明らかでありました。

いつも取りなすのは、
花の男と優しい声の人。
それから僕ら7人は、
気分を変えて高円寺南口にある
カラオケ店へと向かうのでした。

先ほどの喧嘩は何だったのか…。
当時流行っていた
Winkの淋しい熱帯魚を
彼女は振り付きで歌っております。
その一種独特な甲高い声で
ケタケタと笑いながら…。
僕は、彼女の切り替えの早さに
舌を巻く他にありませんでした。

自由奔放で真っ直ぐな人。
だけれど、気が強そうに見えて
本当は脆いと云う事を
彼女のどこかに感じてもいました。
時折 そんな目をするからです。
それは、彼女が
生まれながらに持った
『淋しさ』のように
思えてならないのでした…続く。

喧嘩友達に感謝して
また、明日。

男女7人高円寺 play back 2話「優しい声の人」

聞こえてますか?
昨日の続き…。
あれから二十数年…。
帰郷した花の男は、
今も熊本県の戸馳島で
とても綺麗な蘭の花を
育てています。

その頃の僕は、作詞家であり
劇作家でもある
岡田教和先生の門下生となり
付き人として生業を得て
車の運転 鞄持ち 物書きの
勉強をして過ごしていました。

そんな僕の書く詞や物語を
男女7人の中で熱心に
読んでくれる女性がいました。
物腰はいつも柔らかく 控えめで
優しい声を持った人でした。
それでいて、
読み終えた彼女の助言は
辛辣を極め 容赦のない
批評が展開されるのです。
僕は、そのたびに
首を垂れて書き直しを
余儀なくされるのでした。
彼女のその声に秘めた
『強い意志』みたいなものを
優しさの中に感じていました。

物書きで奮闘する僕を気遣い
徹夜の時も付き合ってくれ
ワープロで文字を
おこしてもくれました。
鉛筆からインクへと様変わりする
整頓された文字の色とカタチ…。
拙い僕の文章が、綺麗に
化粧されてゆくようで
とても嬉しかったのを
覚えています。
手伝ってくれた
彼女の貴重な『時間』を
僕は、忘れません…続く。

優しい声の人に感謝して
また、明日。